第140回簿記2級(第3問)、決算3勘定は大穴!

がんばろう日商簿記2級合格、今回は「第140回簿記2級第3問、決算3勘定は大穴」というテーマでお話をしたいと思います。

140回の簿記2級の第3問は本支店会計なのですが、過去10回以上の問題を見てもここまであげていないケースが結構多いので、最近の過去問集を持っている方は決算3勘定をやっていない可能性が高いです。

何年も出ていないので、あまり触れていないかもしれないです。
私は70回目ぐらいからの約20年分の過去問を見ていますが、たまにこれが出ると合格率が低かった記憶があります。

純資産の振替というのは苦手な人が多いので、これが出たときに受験生がパニックになってしまうのです。

簿記3級の損益振替も、最後のほうで少しやる程度なので対策が充分でなく苦手な人が多いのです。

歴史でいうと3学期にやる現代史みたいなもので、おろそかになりやすいです。
しかし、ここをきちんとやっておかないと将来簿記1級の連結決算を勉強するときに苦労するので、ここで純資産の振替を知っておいてください。

決算3勘定というのは損益勘定・繰越利益剰余金勘定・繰越試算表(T/B、大陸式の場合は残高勘定)のことです。

繰越試算表というのは簿記3級でやりましたが、英米式簿記法、あるいは英米式決算法といい、残高式は大陸式簿記法、または大陸式決算法といいます。

損益勘定は損益計算書に繋がり、繰越試算表または残高勘定は貸借対照表と思えばいいです。
あとは繰越利益剰余金勘定の中身については知っておけばいいです。

期首の残高があって、当期中に株主総会等で剰余金の分配があって配当金を払って利益準備金を振り替え、その他に任意積立金の積立などをして、決算整理前の残高を出します。

その後に当期純利益などを損益勘定から振り替えて期末の残高を出します。
そして最後に、期末の残高を繰越試算表や残高勘定へ振り替える、という流れを理解していればできます。

簡単な計算例をご紹介します。

繰越利益剰余金勘定の期首残高を逆算して求める問題ですが、これがもし出題されたら2点ぐらいの配点が予想されます。

出来なくても致命傷は負いませんが、簡単に解けるので、解き方のテクニックをお伝えします。

ここ12回ぐらいは出題されておらず、過去問集には載っていないケースもあるので、この機会に学習してください。

まず損益勘定。
総収益20,000とありますが、本当は売上、受取利息、受取配当金、受取手数料などいろいろありますが、まとめて総収益としました。

総費用14,000も、本当は仕入勘定、減価償却費、貸倒引当金繰入、交通費、交際費などの内訳がありますが、まとめています。

したがって今回の当期純利益は6,000で、これを繰越利益剰余金に移しますが、その前にこれは分からない前提でいきます。

前期繰越はわからないと思って、その状態で資料を見ます。
4月1日から翌年の3月31日ですが、当期中に剰余金の分配を行い、配当金2,000の支払、利益準備金200の積立、別途積立金1,000の積立の3つを行うことを決めました。

この3つで繰越利益剰余金が1度減りますが、これは決算整理前で、決算整理前の残高というのは1年間の増減を反映させたあとの決算整理をする前なので中途半端です。

仮計算が5,000。
3月31日の決算整理前の残高試算表のことです。

4月1日から1年間の増減があるけれど、決算整理や損益振替をする前なので、中途半端な状態で5,000があるということです。

この5,000の意味がわからないとできないです。
5,000というのは何かというと、期首の残高から未払配当とか利益準備金とか別途積立金を引いた差額です。

そうすると、5,000に未払配当と利益準備金と別途積立金を足せば出るということです。
それさえわかれば良いのですが、一応、T字勘定の記入もお見せします。

前期T/Bは5,000です。
期中の仕訳は5月25日に「借方 繰越利益剰余金2,000」、「貸方 未払配当金2,000」、「借方 繰越利益剰余金200」、「貸方 利益準備金200」、「借方 繰越利益剰余金1,000」これはマイナスです、「貸方 別途積立金2,000」。

借方は、本当は繰越利益剰余金を1行で3,200と書きますが、便宜上分けました。
そのまま転記すると、「借方 繰越利益剰余金2,000」相手は未払配当金で、
2つめが相手勘定は利益準備金200、3つめが相手勘定は別途積立金1,000になります。

3,200減った結果、前T/Bが5,000ということになります。
ということは、5,000に1,000を足して200を足して2,000を足せば、逆算して8,200が出ます。

決算3勘定が出たら、この8,200は空欄になっていて、2点ぐらいの配点になると思います。
出来なくても致命傷にはならないけれども、出来ておけば安心します。

仕組みさえ知っておけば簡単にできます。

あとは簡単です。

期首が8,200、繰越利益剰余金、未払配当金は相手勘定2,000、利益準備金は相手勘定200、別途積立金は1,000。

前期T/Bが5,000の状態で損益勘定から損益振替、「借方 損益6,000」「貸方 繰越利益剰余金6,000」という仕訳をして、貸方6,000を足しました。

期首の8,200に損益6,000を足して14,200。
そこから貸方の未払配当金2,000と利益準備金200と別途積立金1,000を引けば11,000となります。

あとは、前期T/B5,000に損益からの振り替え6,000を足せば11,000が出ます。
11,000が次期繰越になりました。

翌期に繰り越す残高として、繰越利益剰余金は11,000となりました。
5,000から11,000になって、プラス6,000は損益からの振り替えです。

この全体の流れを1回知っておけば何てことは無いです。
良かったらぜひこの計算例を使ってください。

ここさえわかっておけば、決算3勘定特有の論点は大丈夫です。
あとは普通の決算整理です。

決算整理前試算表からB/S、P/Lを作ったり、決算整理後残高試算表を作ったりするのと同じです。

繰越利益剰余金の期首残高の求め方の仕組みさえわかっておけば、落ち着いて第3問を解けばいいです。

繰越利益剰余金が込み入っているぶん、決算整理を少し楽にしてくれる可能性があるので、これが出てくれたらラッキーとも言えます。

これと本支店会計の2つを確実に練習しておけばいいと思います。
この問題はYouTubeまたはアメブロなどからダウンロードできるようにしておきますので、良かったら活用してください。

1回ぐらい練習しておけば大丈夫だと思います。
決算3勘定が出ても慌てないために、繰越利益剰余金の期首残高の求め方についてのテクニックお伝えしました。

私はいつもあなたの簿記2級合格を心から応援しています。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。

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