これまでよく頑張ってこられたと思います。
ここまでの努力は必ず将来に役立つと思います。
一休みして落ち着いたら、気持ちを新たに次のステップに進んで頑張ってください。
137回に関しては、問題によって得点しやすいものとしにくいものがありました。
いかにイージーミスをしないかということが重要です。
結論を申し上げると、例題をほぼ完璧に出来るようにして、過去問などの総合的な対策をコツコツされてきた方であれば、7割は目指せる問題だったという気がしました。
特に、工業簿記・原価計算については8割得点しているという報告を受けています。
今回は原価計算で苦戦した方が多いですが、工簿は8割を狙えています。
原価計算に関しては25点中20点取れている方もいらっしゃいますし、逆に全く手が出ない方もいらっしゃいました。
形を変えて出題されても焦らずに知識を組み合わせて答える能力があるかどうかが問われているので、少しずつ考えながら問題を解く必要があると思います。
しかし、柴山式のテキストの問題と、総合問題や過去問をしっかりやっていただければ、7割得点することは決して不可能ではない問題だったと思います。
精神的な強さなども必要になるので、場数を踏んだり、丁寧にコツコツと勉強していただくことが大事かなという気がします。
商業簿記からみていきますが、今回の商業簿記はやや難しいです。
柴山式では、「本支店がそろそろ出る可能性が高く、その場合は海外支店の円換算が出る可能性が高い」と、直前の動画や講義でも若干お話していますので、そこまではある程度対策されている方はいると思いますが、為替差損益の問題や償却債権取立益の扱いなどで、たとえば「両端入れ」など、細かいところで見慣れないものがありました。
そういうことを考慮すると、若干可哀想な部分もありましたが、そういう見慣れないものは気にせずに、出来るところを淡々と解答して部分点を積み重ねて、何とか頑張って15点に近づけて、12点から14点ぐらいは取って欲しいなと思います。
色々捻ってあるので、20点は取りづらいかなというのが今回の感想です。
貸倒引当金や為替差損益のあたりは、複数の論点が絡んでいて少し難しいかなと思いました。
4科目のなかでは一番点数が取りにくいので、まずは足切りを防ぐことに気をつけます。
10点ぐらいだと少し厳しいかもしれないので、やはり13点か14点、できるだけ15点に近づける形で部分点を積み重ねてほしいです。
会計学に関しては、今回は理論が簡単だったので、この部分で傾斜配点をしてくれないかなという期待があります。
理論は5つのうち4つは取れる問題です。
多くの専門学校は1点×5問で5点と予想していますが、もし、ここが10点になってくれたら、かなり合格の確率が上がります。
今回は配点の仕方によって状況がかなり変わると思います。
多分、第2問の株式移転というのはあまり馴染みの無い論点です。
過去に株式交換は何度か出ていますが、株式移転というのはあまり馴染みがないので、対策が手薄になる可能性が高いです。
株主移転に関しては、設問1は何とか頑張って議決権の比率くらいは出せるかもしれませんが、設問2の取得会社の判定というのは、会計士の勉強をやっている人や税理士簿記論をしっかりやっている人であればわかるかもしれませんが、この株式移転は1級のレベルを超えているので、少し可哀想な問題かなという気がします。
1回やっていれば出来ますが、なかなかここまで手が回らない人が多いと思います。
周りの受験生が出来ない場合は傾斜配点の可能性もあるので、多くの専門学校は10点ぐらいの配点をしていますが、私は6・7点ぐらいだと思っています。
設問4は会計士の短答式の問題として出てもおかしくなくらいの問題なので、1級にしては難易度が高いと思います。
設問3は株式の評価ですが、これも見慣れない形なので難しいと思います。
第二問については、設問1の議決権比率は、発行株式数は出ると思うので、3,000株と9,000株という比率に気付けば出来るかもしれません。
だから、第二問は全滅の方もいらっしゃると思います。
ということも考えると、会計学も株式移転のところで部分点が拾えるかどうかです。
設問2は、知っているかどうかなので、知らないと結構厳しいです。
設問3は、A社株式の取得原価は難しいと思うので、Bしゃ株式の取得原価が出来て1点取れるかという感じです。
なので、小さい点を集めて、2点ぐらい取れれば御の字かなと思っています。
第二問には配点はあまりこないのではないかと私は思っています。
もし、ここに配点が多めにくるようであれば、合格率は相当低いと思います。
会計士の勉強をされている方は取りやすいと思うので、どういう勉強をしているかにもよります。
簿記1級の勉強だけしかしていない方は、第二問は厳しいかもしれません。
第三問は5つのうち3つ取ってほしいです。
設問1から設問3あたりまでは取れるので、専門学校の予想より多めの配点がくる可能性があります。
ここは多くの方が12・3点だと思いますが、もしかして、第二問の配点が第一問や第三問の設問1から設問3に流れた場合には、プラス3・4点される可能性もあります。
そうすると、会計学で15・6点ということもあります。
さらに、商業簿記で13・4点いくと、28点から29点まで目指せます。
商簿・会計で30点近くまで目指せないこともないのです。
特に、第三問の資産除去債務、設問1から設問3は例題レベルなので、ここは取ってほしいです。
ここを落とすと今回の会計学はきついかもしれません。
ここが出来て、第二問で部分点を1つか2つ拾って1・2点取って、第一問は4つ取って、ここが4点だとは思うけれども、8点の可能性も無いわけではありません。
その場合は、会計学も15点から17点の可能性があります。
第二問も、設問1は株式移転があまりわからなくても、議決権比率は答えを出せる可能性があります。
設問3も、かけ算を一生懸命やってP社の割当株式が出せればいいので、3,000株と9,000株に時価を掛けただけでも1個は取れるのです。
とすると、2点ぐらいは取れる可能性があります。
ということで、16点か17点ぐらいと、商業簿記を頑張って13点か14点取って、なんとか30点に乗せられたらいけると思います。
次に工業簿記・原価計算です。
工業簿記は明らかに20点を狙える問題です。
理論も、文脈を見れば2つか3つぐらいは何とか解けるので、何とかなるかなという気がします。
計算ができるかどうかがポイントです。
工業簿記に関しては標準的な問題です。
原価計算については、全部原価計算制度から直接原価計算に置き換える問題ということに気付いて、さらに計算ミスをしなければ点数が取れる問題です。
問題文の趣旨を勘違いして、かなり点数を落としている可能性もあります。
柴山式の勉強をされている方のなかには21点か23点の方もいらっしゃるので、原価計算は「気づき」が重要なのです。
例題や過去問を地道にコツコツ、考えながら解くことが大切です。
最初の1巡2巡目はわからなくても先に行って構いませんが、3巡目あたりになったら、解答プロセスも考えながら解くようにすると、センスが身に付きます。
そういうセンスがあると、原価計算の問題は20点ぐらい狙えるのです。
工業簿記も20点を狙えます。
複数の受講生の方が工業簿記で20点程度を取っているので、案外取りやすいです。
原価計算については、残念ながら取れない方もいらっしゃいましたが、取れている方もいらっしゃるので、20点を狙えないことはないです。
落ち着いて問題文を読んで見直していただければと思います。
工業簿記と原価計算で40点から42点を取って、商業簿記と会計学で28点から30点を取って、すべて合わせて7割という感じです。
今回の商業簿記は、在外支店の円換算なので、対策をしていないと驚く方もいますし、ある程度対策をしていても、細かい論点で見慣れないものがあるので、やや難しい問題でした。
会計学は、株式移転を知っている人ならば解けますが、知らない人は解けないという、格差が出やすい問題でしたが、2点程度は取れる可能性はありますので、諦めずに書くということが大切です。
傾斜配点もあるので、諦めずに、現在のあなたの知識を使って一生懸命解いてください。
会計学は16・7点ぐらいを目指して、商業簿記は13・4点を取るようにして、部分点の積み重ねで何とか引き分けに持ち込みます。
工簿・原計は、問題文をしっかり読んで、例題や過去問を何度も解いて得た知識や感覚を信じて、8割以上を取るという形で合格戦略が見えるかなと思います。
柴山式の例題を中心に、総合問題や過去問をしっかりと繰り返します。
しかも、3回転目以降は、機械的に解くのではなく、少し考えながら解いて、広く・浅く、網羅的に論点を勉強していただければ、柴山式の学習法で7割以上は取れる問題だと思いました。
前回の135回から比べると、ほんの少し難易度が上がっているかもしれません。
商業簿記の在外支店の換算や、会計学の株式移転などは、知っている人と知らない人で差が出やすい論点ですし、資産除去債務も意外と苦手な人が多いです。
特に、第三問の設問1から設問3をイージーミスした場合にはかなり厳しくなるかもしれないというのが個人的な意見です。
地道にコツコツ、基礎力を蓄えて、真面目に勉強している人が一定の成果を得られます。
50点か60点ぐらいならばいけますが、70点を超えるときのもう一押しが大事です。
初めて見るような出題形式でも、一生懸命考えて、視点を変えてみて、その場で工夫をするということをやって7割に届くようにしてください。
センスというのは難しい問題を解いて身に付けるものではなくて、基本的な問題を広く・浅く、考えてやりながら、1つ1つを吟味して勉強することで必ず光が見えてきますので、柴山式の簿記1級の講座を勉強されている方は、今回の問題でも7割以上の得点戦略は可能です。
合格率は、会計学の配点によっては9パーセント前後になる可能性もありますし、配点の仕方を間違えると、かなり低くなる可能性もあります。
135回のときのように色々な配分をして10パーセントぐらいに落ち着くならば、専門の自己採点で60点前後であっても、蓋を開けてみれば合格している可能性もあるので、希望を持ってください。
今回上手くいかなかった方も、次回頑張りましょう。
上手くいった方は、自分で自分のことを褒めてあげましょう。
もちろん、上手くいかなかった方も、今までの努力は褒めてあげてください。
今までの努力は将来必ず役に立つと信じて頑張りましょう。
ここまで本当にお疲れさまでした。
今回の動画をここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。
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