第136回 日商簿記3級の第1問・仕訳の頻出テーマ!

がんばろう日商簿記3級合格、今回のテーマは「第136回簿記3級の第一問 仕訳テーマについて考えてみましょう」です。

簿記2級の対策でもご案内しましたが、簿記3級も同じく、第125回から135回までの仕訳55題の仕訳を24のテーマに振り分けて、どういったテーマがよく出るのかを分析してみました。

直前の最後の追い込みの勉強を効率良くするための参考として活用してみてください。
絶対に当たるとは言い難いところがありますが、同じ勉強をしていてもより効果が上がるような、集中的な勉強ができるように、重要なテーマを挙げてみました。

日商簿記検定3級の第一問対策は、ほぼ簿記2級と同じなのですが、全部で120分あります。
5題ありますが、第一問は4点×5題で20点の配点で、目標は16点以上です。

5つすべてできればベストですが、1個はイージーミスしてもしようがないです。
簿記3級の場合、最大15分以内に第一問を終わらせましょう。
つまり1個3分×5題です。

慣れてきたら1題2分でもできます。

10分で終わらせるのが本当は理想なのですが、どんなに時間をかけても15分以内で終わらせることがポイントです。

柴山式の場合は時間配分こそが戦略のコツです。
合格のコツは時間配分にあります。

では、過去11回分、55個の仕訳を見てみると、最も多い出題回数なのは手付金で、これは昔から多い論点です。

手付金の支払は「前払金」で手付金の受取は「前受金」と言います。
前払金と前受金が絡む取引は9回も出ています。

11回のうち9回ですから、8割以上の出題率なのでほぼ出ると思ってください。
前受金と前払金は網羅的に勉強してください。

そして、過去によく出ているものとして、資本金と引出金が6回出ています。
引出金は苦手な方が多いです。
引出金と非常に仲が良いのは租税公課(固定資産税)です。

固定資産税の支払と個人の所得税の支払が混ざった場合に、個人の部分は引出金または資本金で純資産を減らします。
しかし、会社の事業に必要な経費は租税公課などになります。

引出金勘定を使うときは決算整理仕訳で引出金と資本金を相殺します。
資本金を減らして引出金勘定の残高は0で繰り越します。

こういった知識は柴山式でも勉強していますので、みなさんも基本に忠実にマスターしてください。

今お話したように、引出金と資本金との関連で租税公課もよく出ていますから注意してください。

過去5回出ている論点は2つあって、1つは当座借越です。
当座借越でよく出るのは2勘定制といって、当座預金と当座借越の2つの勘定科目を使うやり方です。

それ以外にも、当座預金と当座借越の2つの勘定を兼ねる「当座」という勘定1つだけで処理する方法もあります。

当座勘定が借方ならば当座預金を表し、貸方ならば当座借越というように区別する「1勘定制」というやり方がありますので、1度テキストで確認をしてください。

試験に出るのは9割方2勘定制ですが、稀に1勘定制で出る場合もありますから注意が必要です。

過去5回出ている論点の2つ目は「立替金」と「預り金」です。
この勘定が出てくるケースは給料の支払いです。

従業員への給料の支払いで所得税預り金とか源泉税預り金という言い方も最近はしますが、これもよく出るので注意してください。

簿記3級の場合は簿記2級と違って論点が集中します。

簿記2級では11回中9回出ているような論点はありません。

せいぜい出ても荷為替手形の4回だったと思いますが、簿記3級は4回以上の論点はたくさんありますから、簿記3級は第一問対策がしやすいのです。

では、過去4回出ているものを紹介します。
かなりありますが、まずは「為替手形」です。

為替手形は苦手な人が多いですが、振り出す人、引き受ける人、受け取る人の“三角関係”をイメージして勉強してください。

そして、手形の割引と裏書も“費用対効果”が高いのでできるようになってほしいです。
割引と裏書は似た取引ですが、この2つを合わせると8回出ています。
そのため、手形の割引・裏書は優先的にやってください。

ある回では5つのうち2つが割引と裏書だったので、それだけで2つ得点できるので楽勝です。

同じ回に割引と裏書が同時に出るケースもあるので、前日に徹底的にやって完璧にできるようになってください。
手形関係は王道です。

それから、過去4回出ている論点で意外と侮れないのが「仮受金」です。
仮払金と仮受金で一緒にすると6回出題されています。
これは実務でもよく出ます。

過去3回出ている論点は、有価証券関係です。
有価証券を買ったときは「購入代金+付随費用」を計上します。
有価証券の付随費用とは売買手数料です。

他に付随費用として覚えてほしいのは、仕入に関する引取運賃などの付随費用です。
固定資産に関してはたくさん付随費用がありますが、よく出るのが不動産関係で、不動産業者へ払う仲介手数料や登録免許税などがあります。

登録免許税とは法務局に払う税金ですが、会計理論上は取得原価に含めます。
実務上は費用にすることもありますが、簿記3級の原理原則では付随費用と考えてください。

さらに土地の場合は地ならしをする場合、整地費用がかかりますが、それも取得原価に含めます。
このように固定資産の取得原価の決定も覚えておいて下さい。

過去に9回出ているような論点から3回出ている論点を全部できるようになるだけでも、本番で8点ぐらいは違ってくるかもしれません。

簿記3級は第一問で効率の良い対策ができるので、しっかりとマスターして自信を持って臨んでください。

そして、簿記3級に合格したら簿記2級を目指しましょう。
簿記2級までは仕事を優先して1日1時間ぐらいの勉強を3か月か4か月やれば、1発合格も夢ではありません。

簿記2級からは履歴書に自信を持って書けますので、あなたのキャリアアップにも使えます。

私はいつもあなたの簿記3級合格を一生懸命応援しています。
ここまでご視聴いただきまして誠にありがとうございました。

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