今回は銀行勘定調整表②ということでお送りいたします。
前回は企業側での調整について解説しましたが、今回は銀行側の調整項目についてのお話です。
今回はそれほど難しくない話です。
会社側のデータは修正してあるので、あとは銀行が自動的に修正してくれるだけですが、一応原因だけ明らかにしておきます。
前回お話したのは会社側の当座預金勘定残高が100,000で、銀行側の記録は96,000で、4,000円ずれていました。
その原因を明らかにして足し引きすると、正しい本来の残高は103,500となります。
前回は、加算項目としては未渡し小切手や売掛金の振込未達、減算項目としては振込手数料の未記入や企業側の誤記入がありました。
それに対して、今回は銀行側の残高証明書(当座勘定照合表)を取り寄せて原因を明らかにします。
当座勘定照合表は数百円の手数料を支払って入手することができます。
試験問題では「残高証明書残高」または「当座勘定照合表」という言葉が出ますが、そのような言葉があったらそれは銀行側のデータだと思ってください。
銀行側の手続きの事務手続きの事情があって、いずれ修正されます。
まず、①として加算項目には未取立小切手1,500というのがあります。
会社が得意先などから小切手を預かってそれを銀行に取立依頼をしましたが、その場合の仕訳は(借方)当座預金1,500 (貸方)現金1,500ということで、当座預金を増やしました。
しかし、銀行側は事務手続き上の問題で、すぐには当座預金を増やしていません。
これについてはいろいろ問題がありますが、受験簿記上ではこういうこともあり得ると思ってください。
実際にこのお金が当座預金として使えるようになるのは翌営業日ということもあり得るので、小切手の取立依頼をした瞬間では銀行の残高と会社の残高は一致していないこともあり得るということです。
②は時間外預入10,000というものがありますが、これは営業時間後に預入をしたことで、会社側はその時点で(借方)当座預金10,000となりますが、銀行側は既に締後扱いとなるので、次の日にプラスになるため1日ずれることがあります。
減算項目として未取付小切手4,000というものがあります。
会社が小切手を振り出して相手に渡したけれども、相手が何らかの事情で取立に回していないか、相手は銀行に取立に回したけれど、銀行の事務手続きの問題でまだ引き落としがされていないことがあります。
銀行ではまだ引き落とされていないため、銀行の残高が4,000円だけ会社の当座預金勘定残高よりも高くなる原因となります。
これらを調整して103,500円がバランスシートに表示すべき正しい残高となります。
銀行勘定調整表に関する問題は過去に日商簿記1級でも出題されたことがあります。
これに関する決算整理については税理士簿記論や簿記1級で出題されてもおかしくないので、ぜひマスターしてください。
こういったことを1つずつ丁寧に勉強していくことで、簿記2級レベルの知識がたしかなものになります。
ぜひ頑張ってください。
私はいつもあなたの簿記2級の合格、そして勉強を心から応援しております。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。
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