今回は「賃金の勘定記入」というテーマでお話をしたいと思います。
製造原価には「材料費」「労務費」「経費」という3つの要素があります。
今回はそのうちの労務費に注目します。
事例をみていきます。
①月初の未払賃金残高は5。1日に再振替仕訳を行った。
②25日に給与18を支払った(支給対象:前月21日~当月20日)
③30日に月次決算を行い当月21日~30日の未払賃金4を計上した。
④当月の労働サービスの消費額(賃金18-5+4=17)は、すべて製造指図書No.10の仕掛品への投下額だとわかった。
以上です。
①の再振替仕訳は(借方)未払賃金5 (貸方)賃金5となります。
②についてですが、給与の支給対象期間は大抵月次決算の月末とはずれます。
たとえば支給対象が20日締めだとすると、前月21日から当日の20日までとなります。
ということは、前月の21日から30日までは未払賃金が5ということになります。
そうすると、18から5を引いて、当月の1日から20日までの消費額は13になります。
原価計算というのは月次で行うので、支給対象期間とはずれています。
仕訳は(借方)賃金18 (貸方)現金18となります。
18から5を引いて、1日から20日までの賃金の消費額は13となります。
それを踏まえて今度は③です。
仕訳は(借方)賃金4 (貸方)未払賃金4です。
賃金の消費額は18-5+4で17となって、これはすべて仕掛品勘定へいきます。
そして④ですが、この17はすべて製造指図書No.10という製品に投下されました。
この労働サービスなどの原価がどの製品に投下されたのかが分かれば、分かったときに仕掛品勘定に振り替えます。
この場合はNo.10に使ったことが分かったので、仕訳は(借方)仕掛品17 (貸方)賃金17となります。
賃金勘定は月末の段階で必ずゼロになります。
賃金や経費といった製造原価の要素の費用の勘定科目は必ず期末にゼロになります。
漏れなく仕掛品勘定などに振り替えてください。
そして、来月はまたゼロからやり直します。
結論としては、現金18を払って、当月仕掛品は17だけ未完成品が増えたということです。
1の差は何かというと、未払賃金の5と4の差だと考えていただければ結構です。
このように、大きな流れを1度書いてみることをおすすめします。
問題文に合わせてT字勘定を書いてみてください。
そうすると賃金の大きな流れが分かると思います。
今回のお話は本試験に出てもおかしくないような内容ですが、賃金の1つ1つの流れを実際の会社で起こりうる状況と比較して、イメージして書いてみてください。
最初は分からなくても、「そんなものかな」という感じで、分かったつもりでどんどん先に進みながら、大まかなイメージで勉強していただくと良いと思います。
柴山式総勘定元帳の勘定連絡は工業簿記でかなり使えますので、なんとなくのイメージでいいので書いてみてください。
私はいつもあなたの簿記検定2級の学習・合格を心から応援しております。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。
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