お悩み相談です。
今回はFさんからいただいたお悩みを紹介したいと思います。
「突然のメール失礼いたします。柴山先生、突然メール差し上げました無礼お許しください。私は簿記のメールマガジン登録者である大阪在住の会社員でFと申します。
実はこの度ご相談させていただきたく、勝手ながらメールさせていただきました。経理として仕事以外でどうモチベーションを保つべきか、レベルアップしていくべきか悩んでおります」とのことです。
この方は40歳手前で、結婚されています。
某大手企業のグループ会社で経理をしているということです。
経理業務を受託・代行するというのが今の役割だということだそうです。
売上高が数百億規模で、そういったグループ企業の伝票入力や、月次決算等の諸々の経理業務を担当されています。
ご本人が感じているのは、一般企業の通常の経理職員の方に比べると充実度が高くない、要するにやりがいを感じられないような状況だそうです。
経理業務の受託サービスをやっているので、担当する会社によっては小規模でありながら申告まで行うようで、一通りの経理の全般を見ることができるのでしょう。
そういった場合はよりいろいろな知識や経験を求められて、いろいろな経験も積めるということで、やりがいがあると思うこともありますが、ご自身の担当とは違うらしいのです。
ローテーションがあるのならば、そのような会社の担当もできるのだろうけれど、なかなか社内のローテーションが活発に行われてはおらず、この状態で仮に日商簿記検定1級などを取得しても、今の担当ではあまり活かすことができずに、宝の持ち腐れになる可能性が高いということです。
決算から申告まで行う会社を担当している同僚がいらっしゃるそうですが、その同僚は現在公認会計士の勉強などもしていて、知識もそれなりにあるそうで、そういった知識を活かしながら仕事をしているので、周りからも期待されています。
そういった様子を見ていると、今の自分の業務に対してモチベーションが上がらないようで、どのように意識を高く保っていくべきか考えるようになったようです。
こういった現状を踏まえて、おそらく担当会社のローテーションなども上司にご相談されているのでしょう。
上司も検討はしてくれるということですが、現状はなかなか腰が重たいと思います。
ということで、「頑張って知識を充実させても、この先活かせかどうか分からない」という不安があるようです。
それならば、いっそのこと日商簿記検定1級や他の経理系の資格を取って転職するというのも選択肢になるのではないかと考えているわけです。
ちなみにFさんは、日商簿記検定2級は持っており、過去に簿記1級を勉強していた時期があったということです。
何もしないのは良くないとは考えていますが、今の状況を踏まえてどうアクションを起こすべきか思案しているそうで、「何かしら良いアドバイスをいただきたくお願いのメールをさしあげました」とのことです。
40歳手前で、しかもご結婚されているので、軽々しくいろいろな新しいことにチャレンジするのはなかなか難しいかもしれませんが、今置かれている環境のなかでできることを私なりに考えてみました。
私なりの個人的なアドバイスですが、ご参考になればと思います。
まず、状況を整理します。
・40歳手前(既婚)、大手企業グループの経理
・今の担当業務では、簿記1級は宝の持ち腐れになるかもしれない
・違う担当会社では、決算・申告など、やりがい
ということです。
社内でも、担当する業務によって会計士の資格の勉強をされていて専門知識を身に付けているような方がいて、周りから重宝されている状況があって、その様子を見ているとおそらく自分自身もそういうふうになりたいというご希望があるのかもしれません。
しかし、自分が違う担当になるようなローテーションが実現するのは厳しいかもしれないので、いっそ簿記1級などに合格して転職するという選択肢もあるのではないかというお悩みというふうに推測します。
それに対する私の考えをお話します。
まずは、何はともあれ専門知識を身に付けましょう。
自分がそれにふさわしい地位になってから考えましょう。
今の簿記2級の合格レベルならば、簿記2級合格レベルに見合った仕事だと思います。
しかし、もしFさんが簿記1級レベルや専門レベルにチャレンジして、その知識が身に付いたと思ったら、自然と上司もそういう目で見て仕事を振ってくるでしょう。
もしよければ、Fさんご自身が上司のつもりで考えてみてください。
たとえば簿記2級レベルの方と簿記1級や会計士レベルの方の2人の部下がいたら、どちらにより全体的な仕事・やりがいのある仕事を任せるかということを考えると、やはり専門知識があるほうにより難易度の高いいろいろな仕事を振ると思うのです。
ですから、転職をするにせよ、会社に残るにせよ、まずは自分が力を付けてから考えましょう。
力を付けた人だけが選択肢を持てますので、まずは簿記1級を取りましょう。
この1年ぐらいで簿記1級合格を目指して、それを自分自身のブランドにしましょう。
簿記1級合格が実力アップの証明にもなりますし、実力があるのならば周りが放っておかないと思います。
実力があるのにも関わらず状況が変わらないようであれば、そのブランドを持って転職を考えても良いと思います。
はっきりとは言えませんが、今の状況というのは、まだ簿記1級の勉強をしていないという状況を踏まえて与えられている仕事なのかもしれません。
しかし、普通に考えたら、簿記1級の方と簿記2級の方が並んでいたら、やはり簿記1級の方に全体的な仕事を任せる可能性は高いので、まず自分自身が簿記1級の勉強を始めればいいのです。
簿記1級の知識を一通り手に入れて、「私は簿記1級の勉強をしています」ということを周りが知れば、それだけでも周囲の見る目が変わるでしょう。
「この人は連結もできるかもしれない」「税効果もやっているかもしれない」「外貨換算や管理会計の知識なども身に付けているかもしれない」「じゃあ、今度の新しいお客さんはFさんに頼もう」と思うでしょう。
ですから、まずは力を付けてから考えましょう。
悩むのが先なのか、それとも力を付けるのが先なのかといったら、ずばり、「力を付ける方が先」です。
今日から簿記1級の勉強を考えましょう。
柴山式では忙しい方のための短期・多回転の勉強法をご提供しています。
もちろん、Fさんなりの勉強法でも構いませんが、まずは悩むより行動です。
力を身に付けてから考えてください。
簿記1級を持ったらもっとレベルの高い仕事を振られるかもしれません。
まずは力を付けましょう。
そうすることで、社内での立場が良くなるチャンスが生まれます。
そして、転職の大きな武器になりますので、社内にいようと転職しようと選択肢が広がります。
結局は「力を身に付けましょう」ということです。
「7つの習慣」でも振れられていますが、パフォーマンスの前にパフォーマンスケーパビリティ(能力)を高めましょう。
つまり、簿記1級を取ってしまいましょう。
そうすると、どちらにせよ転職に際しても大きな武器になりますから、選択肢が広がります。
簿記1級のチャレンジは良い選択です。
迷ったら始めましょう。
私に相談したことを良いきっかけとして、簿記1級を1日も早く始めて、来年の6月ぐらいを目標して、限られた時間を有効に活用して合格を目指しましょう。
能力が上がれば不安も減ります。
まずは専門知識を身に付けてください。
ぜひ、簿記1級の学習スタートをおすすめします。
頑張ってください。
私はいつもあなたの簿記1級合格、そしてキャリアアップを心から応援しております。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。
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