これは、支店が営業所レベルで規模が小さいときのやり方ですが、支店の規模が大きくなれば支店にも経理担当者を置いて、仕訳や総勘定元帳への転記をやって、支店独自に損益や残高の確定をして、それを本店と合併して本支店合併損益計算書・貸借対照表を作るという方法です。
そのため、損益勘定も2段階に分けます。
これを知っていただければそれほど難しくはありません。
支店は支店で損益勘定の記入があります。
支店における純利益の出し方を説明します。
支店における資本金に相当するのは本店勘定です。
支店で損益が出たら、収益が大きければ当期純利益ですが、その場合は借方に金額を入れます。
相手勘定は本店としてYという数字があります。
本店は資本金に相当しますので、借方損益、貸方資本金という形になります。
これは3級と同じです。
貸方本店Y、借方損益Yとやったら、これを受けて本店は第2段階の損益を計算します。
本店の総勘定元帳に損益があります。
貸方が売上などの収益、借方が仕入などの費用です。
本店独自の純利益がありますが、これを一度仮締めして、本店純利益という名前でいったん計算します。
それを貸方にもっていきます。
次期繰越と前期繰越の関係のようなものです。
一度中締めしたら、第2段階で全社ベースの損益を確定します。
本店純利益貸方xと書きます。
そして貸方支店損益を足します。
このときの仕訳はどうなるかというと、貸方損益Y、借方支店になります。
支店勘定は支店への投資のようなものです。
有価証券の貸付のようなものです。
支店の利益の分だけ支店への投資を増やします。
これは将来、日商検定1級の勉強をするときに役に立ちます。
連結決算における持分法というのがこれなのです。
ですので、支店の損益を加算するやり方は覚えておいてください。
貸方損益、借方支店勘定です。
そして、繰延内部利益を戻し入れます。
これは、いったん前期末の内部利益を今年、全部実現したと考えます。
今度は、損益で当期末にある内部利益を控除します。
さらに会社全体で法人税などの計算をしますので、法人税等を引きます。
そして、繰越利益剰余金Jとなります。
期首の内部利益は、前期末に1度控除していますから当期に戻しますので損益が増えます。
当期末の利益から内部利益を控除するので、損益から削ります。
あとで使えるので、これは覚えてしまってもいいです。
それ以外の詳しいところは柴山式のテキストや皆様お持ちのテキストで内部利益控除の過程の仕訳を確認してください。
最後はそれを損益に振り替えます。
ここまで覚えなくても試験は解けるかもしれませんが、一応、ここまで知っておくと本支店会計の理解がさらに深まります。
繰越利益剰余金のJにいったときに、これが貸借対照表の繰越利益剰余金にプラスとなります。
上が本店独自の本店純利益を出す第1段階の締めで、下が本店と支店を合算して内部利益を調整して法人税を引いた第2段階の全社ベースの決算であるということを知っておいてください。
第2段階の決算を「総合損益」という名前で分離させて、わかりやすく区別することがありますが、やっていることは同じです。
本店における第2段階の損益勘定と同じで、総合損益とは本店の純利益xを出して、支店の純利益を貸方に加算して繰延内部利益の戻入を足します。
借方は繰延内部利益の控除分を引いて法人税等を引くということになります。
この2つのやり方を知っておきましょう。
あともう1つ、一般的なテキストではあまり触れていないことですが、中締めして単純に合算することもありますが、本店の純利益がわからなくなってしまうので、私は中締めするのが普通だと思います。
いったん中締めをして、本店純利益を出してから改めて第2段階の損益を記入するやり方のほうが一般的にテキストに出ています。
そのまま合算して本店純利益を出さないやり方もありますが、本店の純利益がわからなくなってしまうのであまりおすすめできません。
なので、中締めをした下半分を総合損益として分離する方法の2つを3回ぐらい書いて手に馴染ませてみてください。
本支店会計に関する理解が深まると思います。
ぜひ参考になさってください。
出る可能性は低いと思いますが、出た場合には合格率が下がると思うので、ここまで知っておくと良いですし、1級に進む方は参考になりますので、1度学んでみてください。
私はいつもあなたの2級合格を心から応援しています。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。
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「支店独立会計制度」というのが狭い意味での本支店会計で、広い意味では「本店集中会計制度」というものがありますが、これは支店があっても仕訳上支店で総勘定元帳に戻さずに、すべて連絡を受けた本店が記録するというやり方です。