やり方は、線を引いたり区切ったりと、色々なやり方がありますが、まずおすすめするのが、上から順番に読んでいき、わかるものはチェックをつけて、わからないものは丸をつけるというやり方をおすすめします。
たとえば、柴山式の1級講座の商業簿記・会計学のテキストは、個別問題からテキストまで300ページの中に入っていて、これと過去問だけで受かってもらおうという形です。
インプットを薄くしていますが、これでも合格者は続々と出ていますので、合格に必要な内容はこのテキストにしっかり入っています。
テキストの79ページに、例題26というものがあります。
これは所有権移転ファイナンスリースの問題で、基本的な例題よりも少し難しくしています。
過去の本試験を参考にしながら、本試験問題で出題されてもおかしくないような、捻った問題があります。
この問題を1番から読んで、わかるものを1行ごとにチェックをつけていきます。
まず、所有権移転ファイナンスリースがわかるかどうか。
1番、リース契約日がわかるかどうか。
2番、リース期間は5年だけども経済的耐用年数は6年という意味がわかるかどうか。
3番、前払いではなく後払いであることを確認。
4番、リース資産の見積現金購入金額は3,800,000であることを確認。
5番、定額法で減価償却することを確認。
6番、追加借入利子率が年4パーセントであることを確認して、年金現価係数がわかるかどうかを確認。
すべてわかっていれば、基礎知識はすべてわかっているということです。
問題文自体は難しくないですが、聞き方が難しいです。
問1、x4年度というのはx3年から起算して2年目ということになりますので、これで利息がわかります。
ということは、1回仕訳をしてリース債務が減った状態でやるということです。
ここが少しわからないということです。
ここでわからないことは、x2年の処理です。
だとすると、x1年目の処理はどうするのかということを考えます。
そして、借り手が支払う利息とは何かを調べるのです。
このように、わかるところとわからないところを1個ずつ見ていきます。
問1のわからない部分は、2年目の処理についてなので、そこを見ます。
もう1つは、2年目の処理で借り手が払うべき利息、払う利息の計算をどうするかを考えて、直前のリース債務×利率という答えを導きだします。
そうったことを、テキストに戻って見ていきます。
2年目の処理はわかったので、1年目の処理はどうするのか、というように1つずつ遡っていけば良いのです。
問2だと、売買処理と賃貸処理はわかって、1個ずつわかったけれど、比較して借り手側のx4年度会計期間の税引前当期純利益がわからないという場合は、2行目がわからないということですから、どこがわかってどこがわからないのかということを判断して、わかった部分にチェックマークをつけます。
わからないところは案外途中の一部だけだったりします。
ここさえわかれば次にいける場合がありますので、当期純利益の影響が何かを考えます。
たとえば、解説などを見ると、減価償却と支払利息と支払リース料の3つだということがわかります。
実は、すべてがわからないわけではないのです。
チェックマークを見ると、自分がこの問題に取り組んで、どこまでがわかっていて、どこからわからないのかがピンポイントでわかります。
こうやってみると、わからない部分というのは問題全体の一部であることがわかります。
このように、自分でわからないところをクエスチョンマークや丸をつけて区別して、できた問題は、問題文の上から1行ずつきちんとチェックマークをつけると、案外自分はわかっているということに気付きます。
問題文はこれでいいのです。
あとは問いの聞き方が少し工夫してあるので、そのパーツを見ます。
1年目がわかれば、その次も繰越なのだから、そこから利息の計算というように、1個ずつ突き詰めていけば大丈夫です。
問題文の上からチェックをつけていき、分解していくのです。
わかるところとわからないところを分解していくと、応用問題でも半分ぐらいわかっていることがあります。
質問を受けるときに、1から教えて欲しいというような聞き方をされる場合が多いのですが、この方法を使えば、そのような聞き方をすることはなくなります。
オセロゲームのように、分解してわからないところがわかるようになれば、あとは全部わかります。
問題文がわからないときには、すべてがわからないと思ってパニックにならないで、1個ずつ分解して考えてみてください。
私はいつもあなたの1級合格を心から応援しています。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。
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