「決算書の読み方をマスターしましょう」ということを私のサイトで言っていますが、今回は利益について考えて頂きたいと思います。
今回のテーマは「利益は明日のコストです」というお話です。
利益というと「ゲットしたもの」というイメージがあります。
売上から費用を引けば粗利益が出ますし、簿記の勉強をしていれば経常利益や当期純利益という言葉も出てきます。
簿記検定3級を勉強していると、売上高があって、費用があって、収益から費用を引くと利益が出ます。
費用の方が収益よりも多ければ当期純損失といいます。
これは簿記検定3級で勉強することで、簿記2級以上になると損益計算書という利益の計算書類について学びます。
一番上に売上があって、売上から売上原価を引いて売上総利益という利益を出します。
これは粗利益といいますが、そこから販売費および一般管理費という営業活動の費用を引いて営業利益という大事な利益を出します。
そして、営業利益に対して利息の受け取りを足したり利息の支払いを引いたりすると経常利益が出ますが、日本では経常利益がとても大事に扱われます。
経常利益から諸々の調整をして、さらに税金を引くと当期純利益(最終利益)が出ます。
この最終利益が株主に対する配当や設備投資の財源になります。
しかし、よく考えると利益というのは「ゲットした」というイメージで終わりますが、実は利益には「後日談」があります。
例えば100万円の利益を手に入れたら、それをずっと銀行に寝かせておいても良いことはありません。
その利益を明日の事業活動のために活用するからこそ利益は意味が出ます。
つまり、「お金は墓場まで持って行けない」というのと同じで、お金をずっと持っていても淀んでしまうのです。
お金が貯まってばかりだと、事業活動においては有効活用されません。
お金というのは有効活用をしてはじめて「生き金」になります。
川の流れと同じで、ずっと同じところに留まっていると腐ってしまいます。
要するに何の価値も生み出さないのです。
持っているだけでは意味がありません。
ですから、お金の流れは早くしなければいけません。
これを「キャッシュフロー」といいます。
キャッシュフローの最も分かりやすい目安が利益なのです。
勿論、利益が全てキャッシュとは限りませんが、利益というのはいずれキャッシュとして返ってきます。
キャッシュとして入ってきたものが将来どうなるかというと、給料を払ったり、家賃を払ったり、リース料を払ったりといった明日の営業活動の軍資金になるのです。
従って、利益というのは未来の事業活動のための準備資金なのです。
利益とはいっても将来の費用の予備資金なのです。
とすると、利益は未来の費用なのです。
今年は費用ではなかったとしても、未来の費用になります。
例えば機械を使っていれば減価償却費という形で必ず費用になりますので、投資も費用になります。
ということは、今の利益というのは将来の費用のための準備資金なのです。
ですから、利益というのはいずれ使って活用すべきものなので、利益を長い間貯め込むようなものではないのです。
未来に有効活用するための軍資金が利益だという意識を持つと、利益に対するイメージが違ってきます。
利益は貯め込むものではありません。
「未来の費用の予備軍が今日の利益である」という考え方をしてみるのも会計を学ぶ上で興味が広がるのではないのでしょうか。
このように柔軟な発想で会計に接してみてください。
興味を持って会計を学んでいると、やがてそれが実のある知識、実務で役に立つ知識になります。
「今日稼いだ利益は、未来のコストである」という発想を持ってみてください。
私はいつもあなたの成功・スキルアップを心から応援しております。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。
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