おすすめ本『出世する武士、しない武士』大石学著

前を向いて歩こう、今回はおすすめ本の紹介です。

タイトルは『出世する武士、しない武士』。
著者は大石学さんという方で、日経プレミアシリーズという出版社から出ています。

私は日課として本屋さんをぶらぶら散歩しているのですが、そこで目に留まったので買ってみたら、思いのほか面白く、「当たり」でした。
武士というのは組織人なので、今でいうとサラリーマンの出世などと関係しています。
『踊る大捜査線』というドラマでも、いかりや長介扮する和久刑事という人が、主人公の青島に「青島よ、正しいことをやりたければ偉くなれ」と言っているシーンがあります。
やはり、地位が上のほうが権限も大きいですし、影響力も大きいです。

現場の担当者としてやるのももちろん素晴らしいことですが、世の中のためにより広い範囲で正しいことをやり遂げようと思ったら、影響力の大きい、上の地位、偉くなったほうが大規模に正しいことはやりやすいと思います。

ステップアップしていく人としない人、サラリーマンの組織人としての動き方に重ねてみると面白いです。
あとは時代劇がよくわかりますし、大河ドラマなどで出てくる有名な武士、武家などが出てきます。

面白いと思った内容を2つほど例を挙げてみます。
生類憐れみの令で有名な五代将軍綱吉と、側用人の柳沢吉保、今でいう社長秘書みたいなものですが、この方はできる人ですが、柳沢吉保という人はすごく好かれて、綱吉から信頼されて政治を行いました。
生類憐れみの令というと、悪法というイメージを我々は抱いてしまいますが、あれは枝葉で、元々は捨て子や老人などの弱い人に対処するために定められたものです。
「お犬様」は尾ひれであって、後々細かいところで出てきた話ですが、そちらのほうが面白そうなので、後世大きく伝わって悪法というイメージがつきました。

実は、この本を読んでわかったのですが、六代将軍の家宣が生類憐れみの令を廃止したということになっていますが、そのときに切ったのは枝葉のほうであって、本来の捨て子対策のような部分は引き継いでいて、生類憐れみの令の前後で、その前は人を殺すと武勇伝的な、ある意味で勲章のようなイメージがありましたが、命を大事にするという風潮ができてきたのはこの頃ではないかという評価も、いろいろあるみたいです。

今まで、私たちは常識的にドラマのイメージで、悪いことではないかと思っていたことが、案外違うのではないかということを思わせる、歴史について「おっ」と思わせる面白い本です。

もう1つは、鬼平犯科帳で有名な長谷川平蔵はすごく切れ者ですが、当時の上司で、清廉潔白な政治をしていた松平定信という方はとても清廉潔白な上司、厳しい人でした。
その下にいた長谷川平蔵は、どちらかというと人情にあふれていて、グレーゾーンぎりぎりのことをやりながら、庶民派で捜査する、『踊る大捜査線』でいうなら青島刑事みたいな、庶民と仲良くやりながら事件をあげていくような感じです。

そのため、松平定信からは「山師」と言われていたようです。

上司からはあまり好かれていなかったようで、能力の割には出世できなかったという話が書いてあって面白いです。
能力があっても人間関係が大事だということを、いろいろな事例で見せてくれます。

本を書きたくなるような、いろいろなネタがあります。

西洋の測量技術などないなかで地図を作ったという伊能忠敬の話もありますし、いろいろなことが載っていて、歴史の勉強になります。
また違った観点から見ることができるので、とてもおすすめです。
今のサラリーマンのような組織人としての苦労は、昔から変わらないのだなと思います。

やはり、周りから好かれる、信頼を得るということは大事です。
ゴマをするという意味ではなくて、きちんとした自分をもった上で周りと協調することが上にあがっていくためには大事で、能力だけで周りから評価されるわけではない。
逆に足を引っ張られることもあるということです。

子供でも読んでほしいですが、非常に大人の本です。
歴史を違った目で見ることができますし、サラリーマン、組織人の処世術も学べます。
一石何鳥にもなりますよ。
ぜひ、よかったら読んでみてください。

私はいつもあなたの成功、そしてレベルアップを応援しています。
今回のおすすめ本『出世する武士、しない武士』ぜひよかったら手に取ってみてください。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。

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